こころまち つくろう KEIHAN 京阪ホールディングス

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こころまち つくろう 活動レポート

[こころまちつくろう 活動レポート Vol.19]夢を乗せる車両もおまかせください。 ~ひらかたパークと共同で取り組む保守・点検~

スピードとスリルを楽しむジェットコースターは、遊園地で人気のアトラクション。起伏のあるレールの上を高速で走行する乗り物だけに、厳重な安全管理を必要とします。当社が経営する遊園地「ひらかたパーク」では、「レッドファルコン」をはじめとするジェットコースターを京阪電車の車両部とひらかたパークが共同でメンテナンスしています。遊戯機メーカーの方が驚くというハイレベルなメンテナンスの実態とは? 鉄道車両と変わらぬクオリティで行われる点検・整備の秘密を探るべく、寝屋川車両基地の作業現場にお邪魔しました。

車両部とひらかたパークの
スタッフが手を携えて実施。

車両部の主な業務は、鉄道車両の保守・点検です。車両部品に応じて車体係、電装係、空装係など担当が分かれていますが、ジェットコースターのメンテナンスについては台車係を中心に全係が一致団結して取り組みます。さらに遊園地で毎日の安全運行を行うひらかたパークの整備スタッフも参加し、約10名のチーム編成で実施しています。共にメンテナンスすることで互いに知識もスキルも高め合い、現場で行う日々の整備にも鉄道車両同様の保守・点検の精度を活かすことができます。

3週間をかけてすべてを解体し、
一から組み立て直す。

今回、持ち込まれていたのは木製コースター「エルフ」。一見コンパクトサイズで可愛いルックスながら、重量は1車両につき約900kgもあります。そんな重い乗り物が縦横無尽に走り回るのですから、安全点検は徹底して行われなければなりません。保守・点検に与えられる時間は3週間。搬入後はすべてを解体・分解し、台車部分の油の汚れは徹底洗浄します。部品がきれいになったら、1車両につき100以上はあるボルトやナットを一つひとつ丁寧に総点検。全部品の安全確認を終えると、組み立てに取りかかります。組み立てた後もボルトのゆるみがないか等をチェックしますが、これもひとりではなく複数人の目で確認し、ようやく点検は完了となります。

取材時は、組み立ての完了した車両の最終点検段階でした。テストハンマーとハンドライトを持ちボルトのゆるみがないか、打音検査を行います。もし万が一ゆるみがある場合は鈍い音がするそうですが、「カ―ンカ―ン」という引き締まった音が現場に響き安全を知らせます。

部品や作業台までもすべて自社製作。
車両部の高い技術力が遊園地の安全も守っている。

最後に、車両部とひらかたパークによる遊戯機の保守・点検システムを造り上げた安達 修(あだちおさむ)さんにお話を伺いました。

システム整備に至るまでの経緯を教えてください。

「全国でも、自社で遊戯機を保守・点検している遊園地は珍しいと思います。遊戯機専門のメンテナンス会社に任せるのが通常で、当社も最初は外部に委託していました。しかし、私たちには鉄道車両もメンテナンスできる高いスキルとノウハウがあります。『それならせっかくの技術を活かして、遊戯機でも高いレベルのメンテナンスを手がけたらいいじゃないか』と自社整備にシフトしました。当初、ひらかたパークのスタッフは遊園地でのみ保守・点検を行っていましたが、何度も往来するうちに『一緒にした方が情報も共有できるし、知識も技術も高め合えるのでは?』ということで車両部の寝屋川車両基地での解体・整備にも加わり、共同作業をすることになりました」

遊戯機メーカーさんが驚かれる現場だそうですが?

「ええ、遊戯機専用の作業台から部品まで図面をひいて作っています。場合によっては、元の製品よりも精密なものを自社製作していますから(笑)。独自のチェック項目についても、『そこまでするのか?』とよく驚かれます。その一つに部品などに蛍光磁粉液を塗った上に強い磁気を当てて磁化させ、ブラックライトを当てて目に見えない亀裂まで調べる磁気探傷(じきたんしょう)という鉄道車両で通常行っている検査があるのですが、それを遊戯機にも応用しています」

すべての遊戯機も鉄道車両同様の高いレベルで保守、点検するのですね。

「遊戯機も鉄道車両と同じ、皆様の大切な命をお預かりしている乗り物です。保守・点検する立場として我々が負う責任の重さは同じです。ひらかたパークと協力して整備することで、お互いに知識とスキルを高め合い、より精緻な整備をめざします。今では共同作業を通じて強い絆も築けています。これからも、『今日より明日』をモットーに研鑽を積み、鉄道車両はもとよりひらかたパークの遊戯機にも京阪の安全・安心のDNAを継承していきたいですね」