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こころまち つくろう 活動レポート

[こころまちつくろう 活動レポート Vol.31]安全へ、駅ができる万全を。~ホームの安全を守る。京橋駅にみる京阪電車の取り組み~

お客さまに安全に、そして安心してご利用いただくこと。京阪電車が何よりも大切にするこのモットーは、ホームの安全施策においても貫かれています。ホームドアの試験設置に向けて動き出すなど、ハード・ソフトの両面からホームの安全性向上に取り組む最前線を京橋駅で取材しました。京阪電車の中で最も乗降されるお客さまが多く、1日に約15.6万人ものお客さまにご利用いただく巨大駅には、安全を守るために細心の注意を払う駅係員たちの姿がありました。

朝夕のラッシュ時には
最大で細心の注意を払う

今回取材した京橋駅では、一部時間帯を除き、駅係員がホームに立ち、お客さまへのご案内から異常時の緊急対応まで、多岐にわたる業務にあたっています。お客さまが特に多いラッシュ時は、ホームの安全に最も注意を払うべき時間帯。列車との接触事故などを未然に防止するために、お客さまの動きと列車の運行状況の両面に細心の注意を払い、必要なアナウンスやお声がけを行います。例えば、話題の観光スポットへのアクセス方法を臨機応変にアナウンスに加えることも。必要な情報を都度お届けし、最適な列車に間違いなくご乗車いただくことも、ホームのお客さまの安全に結びつくとの判断からです。

ホーム全体をチェックし
安全を見守る「操車」

京阪電車の主要駅には、365日休みなくホームや列車の入駅・出発状況をチェック・管理する「操車」があります。京橋駅にも「操車」が存在します。急病人やトラブルなどで、ホームや列車運行の状況は刻一刻と変化します。そんな状況を随時、全列車の運行をコントロールする運転指令所に伝え、また、主要駅同士でも連絡を密に取り合うことで、ホームの安全確保やスムーズな列車運行に努めています。

安全性向上のために
さまざまに備えられた設備

京橋駅をはじめとする京阪電車の駅には、安全性向上のためにさまざまな装置が設置されています。お客さまの中には「目にしたことがある!」と気づかれる方もいることでしょう。ここでは、それらの設備についてご紹介します。

■列車接近表示装置

お客さまに列車の接近をお知らせします。

■注意喚起シート

お客さまに視覚的にホーム端部の危険性を訴え、ホームの内側を歩いていただく目的で設置したサイン効果の高いシートです。転落事故や列車との接触事故防止を目的として、平成29年3月から京橋駅で試験的に導入しています。

■非常通報ボタン

乗務員と駅係員に異常を知らせ、近くを運行している列車を緊急停止させるボタンで、全駅のホームにほぼ1車両間隔で設置しています。お客さまがホームから転落するなど、緊急に列車を止めなければならない状況を見つけたら、お客さまも迷わず非常通報ボタンを押していただきますよう、お願いいたします。

■ホーム足下灯

乗降時のホームと列車の隙間でLED照明が点滅し、お客さまに注意喚起しています。

■内方線付き点状ブロック

点状ブロックの内側に線状の突起を設置し、目の不自由なお客さまにホーム内側と線路側の位置関係をお知らせする設備で、全駅に展開しています。

■ITV(監視用テレビ装置)

乗務員がお客さまの乗降を確認するための装置です。乗降の様子を直接見づらいホームの曲線部などに設置しています。

■戸閉合図器

駅係員が乗務員に列車の扉を閉めるタイミングを知らせる装置で、京橋駅をはじめとする京阪線13駅に設置しています。ラッシュ時など、ホームがお客さまで混雑する際に使用しています。

この他にも、駅の規模や特性に応じ、線路内に転落したお客さまの安全確保を目的とした「ホーム下退避スペース」や、お客さまの転落などを検知し乗務員や駅係員に知らせる「ホーム転落検知装置」なども設置しています。また、ホームからの転落防止に効果があるとされる、ホームベンチの向きを線路と直角に変更することにも着手。実施済みの天満橋駅、深草駅に続き、京橋駅、枚方市駅などにも広げていく予定です。さらに、最新の対策として一部の駅では、非常通報ボタンと列車を自動的に停止させる装置を連動させ、事故を未然に防止しています。

お声がけを積極的に実践し、
お困りのお客さまへのサポートを強化

1日79万人ものお客さまがご利用される京阪電車。その中には、お身体の不自由な方やご高齢の方、はじめて京阪電車をご利用される方や海外からお越しになられた方なども。常にお客さまの様子に注意を払い、積極的にお声がけをして、列車へのご乗車のお手伝いや目的地への行き方のご案内など、できる限りのサポートを実践するよう駅係員が一丸となって取り組んでいます。安全設備の充実に加え、こうした積極的なお声がけを積み重ねていくことが、「安全安心」につながると考えています。

お客さまの気持ちをくみ取り、寄り添うことが
安全安心にもつながっていく

お客さまに駅を安全にご利用いただくために駅係員はどうあるべきか。最後に京橋駅 峯野(みねの)駅長にインタビューしました。

ラッシュ時の混雑は大変なものですね。

「どうしても朝夕のラッシュ時間帯はお客さまが集中し、混雑します。京橋駅は他社線との乗り換え駅でもあるので、お急ぎのお客さまによる駆け込み乗車を見かけることがありますが、非常に危険なのでおやめいただくようにお願いしています。一方で、夜は繁華街に近い駅の宿命として、お酒を召し上がったお客さまが比較的多いので、転倒による列車との接触事故などが起きないよう、特に注意を払ってご案内するよう心がけています」

積極的にお声がけをされていたのも印象的でした。

「お困りのご様子のお客さまには積極的にサポートを申し出ています。ただ、目のご不自由な方でも「大丈夫です」とお返事いただくこともあります。しかし、最近は歩きスマホも多いですし、ご本人が気をつけていても他のお客さまとうっかりぶつかってしまいアクシデントになるおそれも…。お断りを受けても最後までそっと見守るようにはしています。京橋駅には多くの階段があり、改札口も3ヵ所ありますので、いろんな方向に向かわれるお客さまで混雑します。それだけに歩きスマホや駅構内を走るなどの行為は、一つ間違えば大きな事故につながります。ご本人にとっても危険ですし、他のお客さまを巻き込むこともありますので、これらの行為はお控えいただくようご協力をお願いしています」

お客さまのご協力あってこそ安全はかなう、ということですね。

「そのとおりです。京橋駅は大変多くのお客さまにご利用いただいております。それを駅係員約20名でお支えしている。私たちも全力で業務に取り組み、最善を尽くしますが、お客さまのご協力なくして駅の安全は実現できません。そのため、京阪電車の取り組みを駅や車内のポスター、ディスプレイなどでご案内し、ご理解とご協力のお願いをさせていただいています。最近では、ホームに設置している非常通報ボタンの認知度もあがり、お客さまがボタンを押して通報いただいたおかげで線路内に転落されたお客さまを無事にお助けした事例が増えています。大変ありがたく感じています」

転落事故防止という意味では、ホームドアの整備が今後進められていくそうですね。

「京阪線では、車両形式により扉の枚数や位置が異なるため、現状ではホームドアの整備が困難な状況です。しかし今後は、車両の更新時期を見直すとともに、異なる扉位置でも対応できるホームドアの検討を進め、平成32年度をめどに京橋駅の一部で試行整備ができるよう、取り組んでいます」

京橋駅は主要駅ですが、他の駅の安全性向上にはどのようなものがあるのでしょうか。

「非常通報ボタンや内方線付き点状ブロックを全駅に設置するとともに、駅の規模や特性に応じて安全設備の充実を図っています。また、お客さまへのご案内という観点では、係員が不在の改札口に呼び出しボタンを設置しています。呼び出しボタンを通じてお客さまからお問い合わせのあった場合には、京橋駅など近隣の主要駅のサポートセンターで対応させていただいています。顔が見えない声だけの対応になりますので、ご不安やご不便をお感じのお客さまもいらっしゃると思います。よりスピーディーできめ細やかなご案内を心がけています」

京橋駅 峯野(みねの)駅長

最後に、駅長として安全安心のために心がけていることをお聞かせください。

「お客さまの目線に立ち、お客さまの気持ちをくみ取る行動を先んじてとることです。それが結果として安全に、安心してご利用いただくことにつながると考えています。例えば、エスカレーターがキュルキュルと変な音をしている場合。お客さまがそれを聞くとどう感じられるか?不安を抱かれるかもしれないと想像できます。ならば「定期点検しているから大丈夫」で済ますのではなく、この場合なら即座に点検し、時にはご不便をおかけしてでも一時停止させて点検・修理することが大切です。そのように先んじて講じる行動が不安や危険の芽を摘み、事故防止や安全安心につながっていく。お客さまの目線に立つことで、安全安心は何なのかが見えてきて、それをかなえるために最善を尽くす。それが京阪電車のめざす安全安心への道しるべになると私は思っています」