「毎日通る場所」である駅を
「毎日通りたくなるわくわくする場所」にしたい。

吉田 智洋Yoshida Tomohiro

2015年入社
国際文化学部 国際文化学科卒
京阪ザ・ストア 第三営業部直営事業グループ SWEETS BOX担当

人の喜ぶ顔を見るのが好きです。
仕事ではお客さまに喜んでいただけることを第一に考え、
売場で笑顔を見ることが仕事のやりがいです。
プライベートではキャンプや飲み会を企画し、仲間と楽しんでいます。

スーパーのグロサリー販売から
駅ナカスイーツ店のバイヤーへ。

入社後の3年間、京阪ザ・ストアに出向してスーパーマーケットのグロサリー売場を担当してきた吉田に、思いがけない異動の話がきた。「来月から『SWEETS BOX』の運営をやってくれ」。えっ、自分が!? 吉田が驚くのも無理はない。「SWEETS BOX」とは、人気のスイーツ店が期間限定で出店する駅ナカ店。それまで豆腐や漬物の販売を担当していた自分が、商品知識のないスイーツの、それもリーシング業務とは…。しかし一方で、こうして未経験の業務にチャレンジさせてもらえるところに、いかにもといった京阪らしさを感じた吉田は、二つ返事で内示を受け入れた。

駅ナカ未経験の洋菓子店にほれ込み、
自ら出向いて飛び込みの出店交渉。

吉田の担当する「SWEETS BOX」は関西11店舗。そこに週替わりで出店するテナントのコンサルティングと開拓が主な仕事だ。担当11店舗合計で年間約500週という展開のうち、約150週分を吉田が受け持つ。テナントは北海道から沖縄まで全国が対象。前任者から引き継いだ先があるものの、吉田自身で新規テナントを開拓しなければ、年間150週は埋まらない。
「これは」と思ったスイーツ店には飛び込みでアプローチする。半分は門前払いだ。それでもめげずに新規開拓しているなかで、初めて吉田が自分の力で開拓したテナントがあった。町で人気の洋菓子店で、百貨店の催事には出店実績があったものの、駅ナカ店は未経験。デザイン性の高いフォトジェニックなケーキを作る、これまで「SWEETS BOX」ではあまりなかったタイプのお店だ。
一目見て「これは“映える”」とほれこんだ吉田は、いつものようにいきなりお店を訪問し、ケーキをいくつか買って食べた後、その足で再度訪問して「実は…」と切り出した。

運よく、オーナーパティシエとの面会がかなった。吉田は、「SWEETS BOX」の売上実績データを示しながら、駅ナカ店と百貨店の違いや、週替わりスタイルの「SWEETS BOX」の特徴などを説明。そのうえで、「毎日、同じ景色を眺めながら通勤や通学をしているお客さまに、スパイスをご提供するのが『SWEETS BOX』。それにぜひ参加していただけませんか」と持ちかけた。
オーナーは「興味はあるが…」と心配げな表現を見せた。駅ナカ店未経験のスイーツ店にしてみれば、どうしてもまずリスクが先に立つ。本当に売れるのか…、商品をそろえられるか…、スタッフを手配できるか…。そうした懸念点に対し、吉田は親身になって一つひとつていねいに提案をした。数ある駅ナカ店のなかでも、おせっかいなほどにテナントをフォローするのが「SWEETS BOX」の特徴だ。「この調子で当日もしっかりコンサルティングさせていただきますので!」という吉田の一言で、オーナーも「よし、では出店してみよう」と心を決めてくれた。

自ら出店交渉したテナント。
果たしてその売上は…?

初めて自分がリーシングを決めたテナント。うれしい反面、プレッシャーは半端ではなかった。呼んだ限りは、ちゃんと売上を上げなければ、オーナーにも会社にも申し訳が立たない。「それにはまず徹底した準備から」と、吉田は出店当日までの数カ月間、何度かオーナーのもとに通い、一緒に商品ラインナップを考えた。「百貨店では売れる商品も駅ナカ店では売れない場合がある。お客さまが選べるよう、できるだけ種類を多く。また、手土産で買っていただけるよう焼き菓子もラインナップに…」。一方、オペレーションについても、夕方以降は販売が伸びるため、ピークの時間帯を乗り切るだけの商品数とスタッフ数をアドバイスするなど、細やかな対応に努めた。
そして迎えた出店当日。別件のため前夜の準備に立ち会えなかった吉田は、朝一番で「SWEETS BOX」京橋店に顔を出した。ガラスケースに並んだカラフルなケーキの数々。「やはりここのケーキは“映える”」。焼き菓子もそろっており、商品ラインナップは申し分なかった。ようやくここまで来た…。吉田の胸にこみあげるものがあった。しかし、それも一瞬のこと。これで満足している場合ではない。すぐに吉田は、もっと良いお店にするための改善点を探し始めた。

アピール力に欠けるように思えたのだ。そこで、すぐに事務所に戻り、売りであるスペシャリテのケーキをアピールするポスターを作って再び京橋店に足を運び、店頭に並べて貼った。これで遠目からでも、何の店か認識してもらえる。時計を見ると16時。なんとか夕方のピークタイムに間に合わせることができた。呼び込みの文句も一考した。「こういう言い方をすると、通行人の皆さんにも刺さると思います」とスタッフに伝え、実践してもらった。ピーク時に入り、次々とお客さまが足を止めてガラスケースに見入る。用意された美しいケーキがどんどん売れていく。その様子を見ながら、吉田は今回のリーシングの成功を確信していた。
一週間後。吉田にとってもテナントにとっても、初チャレンジが終わった。テナント店がそもそも持つ魅力に吉田の徹底サポートが加わった結果、一週間の出店で上げた売上は、十分合格点といえるものだった。オーナーからは「吉田さんのサポートのおかげです。ありがとう。ぜひまたやりましょう。次もお願いします」と、喜びの声をもらうことができた。この言葉を聞いて、吉田はようやく「よかった…」と、ほっと一息ついた。

多くの人に喜んでもらえるような
コンテンツの創造をめざして。

「SWEETS BOX」に異動して約1年半。百貨店の菓子売り場や他の駅ナカ店に毎週のように顔を出し、ネット情報もチェックするなどして、最新情報のキャッチアップを続けてきた。ようやくスイーツの世界も少しはわかるようになってきたと感じている。新規リーシングも順調で、自分が出店交渉したスイーツ店を求めて「SWEETS BOX」を訪れるお客さまを間近で見たり、SNSでアップされた写真にたくさんの「いいね!」が付いているのを目にしたりすると、バイヤーとしてやはりうれしい。
沿線で、多くの人に喜んでもらえるようなコンテンツを創造したい。それが吉田の入社理由だ。「SWEETS BOX」はまさにそのコンテンツの一つに違いない。だが、吉田の目はさらにその先を見つめている。駅ビジネスの可能性をとことん追求し、新たな事業の創出によって「毎日通る場所」である駅を「毎日通りたくなるわくわくする場所」にする──。その夢に向かって、決して「甘く」はないだろう道を歩むことそのものが、吉田をわくわくさせる。