いままでにない商業施設の立ち上げ
京阪の新しいブランドをつくる。

田尻 裕太郎Tajiri Yutaro

2015年入社
経営学部 経営学科卒
株式会社ビオスタイル 店舗開発部/
EAT(マーケット)営業部/店舗運営部/マーケティング部
京阪ホールディングス株式会社 BIOSTYLE推進室

あっけらかんと行動するタイプですので、くよくよすることはあまりありません。
納得がいかないことをすんなりとは受け入れない頑固な面もありますが、
気持ちを切り替えて、前向きに物事を進めます。
「いろいろなことを知りたい!」という気持ちは、人には負けない自信があるので、
自分にとっても京阪にとっても新しい事業に取り組める日々は刺激的です。

希望していたプロジェクトへの異動。
オープン目前の嵐のなかへ。

2019年12月、京都四条河原町の交差点からほど近い一角に、新しいスタイルの複合型商業施設が誕生した。「信じられるものだけを、美味しく、楽しく」をコンセプトにした「GOOD NATURE STATION」。京阪が提案している新しいライフスタイル「BIOSTYLE」のフラッグシップ施設だ。1、2階はマーケットやレストランなどを備えた食のフロア、3階は美容や癒しをテーマにしたフロア、そして4~9階がホテルという構成になっており、「健康的で良いものを自分らしく取り入れる」という「GOOD NATURE」のコンセプトが支持され、連日、賑わいを見せている。
この施設のオープンわずか5カ月前の7月、いよいよ開業に向けてラストスパートに入ろうかというタイミングで、当プロジェクトに新たにアサインされたのが田尻だった。このプロジェクトはかねてより田尻が希望していた職場だが、入社して4年間、本社の人事部に籍を置いていた田尻にとっては、初めての現場だ。

しかも、プロジェクトの主幹会社であるビオスタイルの社員の多くは、シェフやパティシエ、食品や化粧品の商品開発担当など専門的なスキルを持ったスペシャリストで、京阪からの出向社員も商業施設やホテルでの経験を積んだ、いわゆるプロフェッショナルばかり。そこに一人、畑違いのキャリアを持つ田尻が飛び込んできたかたちだった。とにかくわからないことばかりで、異動当初こそとまどいを感じた田尻だったが、そこは持ち前の前向きさを発揮し、ブランドコンセプトを理解することに始まり、知ったかぶりをせず「教えてください」と周囲に尋ね、また自身でも勉強するなどして知識をつけた。そして、各専門分野で突っ走るメンバーたちの間からこぼれ落ちた、でも誰かがやらなければならない仕事を引き受け、一つひとつ取り組みながら自身の活躍の場を見つけていった。

任されたレセプションの企画運営。
コンセプトをいかに表現するか。

そんな臨機応変な立ち回りで多忙な日々を送っていた田尻だったが、9月、一つ明確な担当業務を命じられた。開業記念式典・内覧会、いわゆる「レセプション」の企画運営だ。社長会見、メディアや取引先、お客さまを招いての内覧会などを行い、開業を華々しくアピールしなければならない重要な催しで、当然のことながら失敗は許されない。それも、上司とともに進めるにせよ、自らも中心となって動くとあって、田尻は気の引き締まる思いだった。

もう日がない。田尻はさっそく動き始めた。社内のメンバーはもちろん、京阪ホールディングス、また外部のコンサルティング会社・イベント運営会社とも打ち合わせをしながら、レセプションでやるべきことを構想する。そのなかで田尻が着目したのが、「GOOD NATURE STATION」のコンセプトだった。この施設は明確なコンセプトを持った施設。だからこそ、レセプションではそれを「GOOD NATURE STATION」らしいかたちで表現し、伝えなければならない。そう考えた。

そのためのコンテンツとして用意したのが、特製ドリンクだった。レセプション会場となる「GOOD NATURE HOTEL」のロビー横に設けられたボタニカルバーで、植物を使ったカクテルを作ってふるまうことで「GOOD NATURE」を感じてもらおうと考えた。また、会場のしつらえについても、プラスチックや木材を使い捨てるのはよくないとの考えから、ステージの一部については施設のロゴを印刷した布で制作し、開業後も施設内のビジュアルとして展示できるようにするなど、粋な演出を採用した。
一方で社内外のVIP対応など、センシティブな調整ごとにもしっかり対応し、もろもろの準備を整えて「これで大丈夫か?」と自問するころには、12月を迎えていた。

レセプション、そしてグランドオープン。
やっとスタート地点に立った。

2019年12月2日、朝8時。レセプションが始まった。舞台袖で無線を付けて会場の様子を見守っていた田尻は、ようやく館がかたちになってこの日を迎えられたことに、ほっとしていた。式典が終わると、館内の内覧会。夕方からは一般のお客さまも迎え入れての先行体験会を実施した。次々と商品が売れていく様子を目にして、田尻は感慨深かった。わずか数カ月ながら、何もわからないところからスタートして、なんとか自分の居場所を見つけ、希望していた商業施設の開業に携わることができた。こうして開業の場に立ち会えたことに感謝していた。

レセプションは21時までつづいた。過密なタイムスケジュールだったが、すべて滞りなく終えることができた。レセプション終了後、館長からも「よかった。よくやってくれた」と声をかけられた。田尻がこだわった「GOOD NATURE STATION」のコンセプトも、おそらくは来場者に伝わったであろう。不安含みで迎えたレセプション当日だったが、社内外からおおむね高評価をいただき、田尻は胸をなでおろした。

その一週間後の12月9日、「GOOD NATURE STATION」はグランドオープンを迎えた。館内はお客さまで埋め尽くされ、「かっこいい」「これまでになかったものができた」という声が聞かれた。メディアにも多数取り上げられ、それがさらなるお客さまのご来店を生んだ。
もちろん良いことばかりではない。開業前には見えなかった課題が次々と発覚し、さっそく田尻はその対応に追われている。しかしそれも織り込み済みのこと。「GOOD NATURE STATION」のような施設は、オープン後も常に変わりつづけることが求められるため、担当の施設の魅力を生かしたイベントや販売促進活動の企画・運営を通じ、その変化を自ら起こす人でありたいと考えている。「GOOD NATURE」とは、そして京阪が考える「BIOSTYLE」の概念とはこういうものだと伝える施設がようやくできた。とらわれる前例すらないこの新しい取り組みのなかで、田尻はたくさんの変化を生み出し、自らもビジネスパーソンとして大きな変化を遂げていくだろう。