鉄道、商業施設、そして街づくり。
多方面で活躍する技術系ジェネラリストの道。

寒川 貴弘 Sogawa Takahiro

2006年入社
工学部 電子工学科卒
京阪電気鉄道株式会社 電気部電力課 係長

私は物事の良い結果は、良好な人間関係がベースになるという考えから、その人間関係構築を第一に考えます。一人で到達できることはたかが知れているので、かかわる人と良い関係構築に向けて努力するようにしています。

キャリアパス

  • 2006年
    4〜6月の人事研修期間を経て電気部にて現場業務を担当。2007年に京阪エンジニアリングサービスに出向して現場業務を担当。
  • 2008年
    電気部技術課に配属。設計業務を担当。
  • 2011年
    くずはモール第二期開発推進室にてくずはモールのリニューアルプロジェクト業務を担当。
  • 2014年
    電気部の各現場とりまとめ及び資材業務を担当。
  • 2016年
    電気部の現場業務を経験。
  • 2017年
    現在電気部で設計業務のマネジメントを担当。2019年からは兼務で京阪ホールディングス経営統括室のプロジェクト業務も担当。

入社1年目~5年目

現場業務の経験を経て設計部門へ。
技術系社員としての地固めを行う。

電子工学科ご出身なら、メーカーも就職先の選択肢としてあったのでは?

最後は京阪とメーカーの2社の間で迷いました。でも、いろいろなことがしたいと思ったので、専門的なことを突き詰めるメーカーよりも、幅広い分野で事業を行っている京阪に決めました。

最初の配属ではどちらに?

京阪電鉄の電気部です。いわゆる現場業務で、電車線、変電所、信号機や踏切といった電気設備のメンテナンスを担当しました。研修ということで、配置がひんぱんに変わったので、とにかく人を覚え、人に覚えてもらうことを意識していました。それこそ今どきではありませんが、現場の人と飲みに行ったり、ソフトボールチームに入ったりして親睦を図りました。

人との距離を詰める近道ですね。その後は?

入社2年目は京阪エンジニアリングサービスに出向して、また現場業務を担当しました。今度は空調や照明といった駅まわりの電気設備のメンテナンスです。全駅を担当したので、駅の細部に至るまで把握することができました。将来の糧となるよう、積極的に現場仕事に取り組んだ時期です。

その一年後にまた異動されたようですね。

京阪電鉄に戻って電気部の技術課に配属となり、設計業務を担当しました。空調や照明、昇降機といった電気設備の入れ替えに際し、設計を行うとともに、工事を発注する立場です。

設計は学生時代に経験が?

いえ、基本的な電気の知識は勉強していたものの、設計に用いるCADソフトは使ったことがなかったので、先輩からOJTで教わりながら覚えていきました。

現場仕事とはやはり勝手が違いましたか?

全然違いましたね。現場では京阪電鉄の一部署内でほぼ業務が完結するのですが、設計部門ではそうはいきません。他部署や協力会社、官公庁など多岐にわたる関係者と協議をしながら、さまざまな調整事をする必要があります。あらためて社会人としての自覚を求められました。あとは、自分の設計したものがかたちになるやりがい。これもメンテナンス業務との大きな違いでした。

入社6年目~8年目

くずはモールのリニューアル担当に。
未経験の立ち位置で多くの学びを得る。

設計業務は何年か担当された?

3年間ですね。その後、くずはモールのリニューアルプロジェクトに携わることになりました。

鉄道から流通へ? 入社動機でもあった「いろいろなことがしたい」がかないましたね。具体的にはどんな業務を?

電気工事はもちろん、建物の構造をのぞくすべての設備に技術者として携わりました。新しいくずはモールのコンセプトを営業部門と詰め、そのコンセプトを具現化するための設備を実現していく仕事です。

鉄道の電気部とはまた違った役回りでした?

電気部では自分で設計していたのですが、くずはモールでは施主側として、設計会社や建設会社といった協力会社と協議・調整しながら進めていく必要がありました。先方に「こちらが実現したいこと」を伝え、設計してもらったものに対して要望を出すなどしながら、自分たちが思い描く通りのものへと導いていかなければならず、高いコミュニケーション能力と実現力が求められました。

どれだけうまく意思疎通が図れるか?

そうなんですが、そのためにはやはり人間関係がものを言うんですね。鉄道の電気部時代以上に多岐にわたる関係者と仕事を進めるなかで、「良い人間関係こそが良い仕事につながる」ということを学びました。

寒川さんのモットーですね。

えらそうなことを言っていますが、実はこのプロジェクトに異動してきた当初は、自分の無力感に苦しんでいました。知識が足りないことも影響していたとは思いますが、自分がいなくても物事が進んでいく感覚で、まるで傍観者のような立場でかかわっていた時期があったんです。「自分は何も為せていないな…」と。

その状況をどうやって打開されたんですか?

気づいたというか、考え方を変えたというか。何か新しいことに挑戦するときに、しんどいことから逃げずに、しっかり立ち向かって超えていかなければ何も得られないと思いました。その分、失敗も増えるかもしれませんが、当事者意識をもって飛び込むことで、成長も充実感も手にできる。

あ、それ、京阪の…。

そう。京阪ではよく「バッターボックスに立て」という表現を使います。その大切さに気づいて、それからは携わる業務すべてに全力を注ぎました。

それで、リニューアル自体は無事に?

開業できました。お客さまも予想以上にたくさん来てくださり、「お客さまでにぎわう良い施設をかたちにする」という当初の目標を達成できたように感じ、充実感を味わいました。

入社9年目~10年目

古巣にマネージャーとして戻り、
周囲の協力を得ながら組織を率いる。

リニューアルプロジェクトを完遂された後、再び電気部に戻られましたが、ここでは何を?

電気部の各現場のとりまとめ役として横軸を通す業務と、必要な資材の購入・管理を行う業務を担当しました。いわば、現場を側面から援護射撃するポジションです。以前の電気部時代とは違って、広く目を行き届かせなければならない立場だったので最初は慣れませんでしたが、この業務を通して、電気部全体がどう動いているのかを俯瞰でとらえられるようになりました。

その後、現場のマネージャー職に就いた。

そうです。まさに新人時代に仕事をしていた現場に、今度はマネジメントする立場で戻ってきたことになります。

かつては仕事を教えてくれた人が部下になったということですよね? うまくいきました?

それはもう、皆さんにうまく対応してもらったかたちで…。ただ、現場で仕事をしていたときに築いた人間関係がここで生きたかな、とは思いました。現場はチーム仕事なので、トラブル等有事で何か底力を発揮しなければならない局面に陥ったときに、信頼関係を築けているかどうかが問われます。

なるほど。

その点、私の場合は新人のころに可愛がってもらっていたのか、「寒川はこういう人間だ」「こいつはこういう考え方をする」ということを、周囲がよくわかってくれていたのが大きかったのではと思っています。

やはり、人間関係なんですね。

現場は特に人の手による作業なので、仕事の質は「いかにコミュニケーションをとって良い関係を築いているか」に左右されることを実感しました。

入社11年目~現在

大規模プロジェクトが目白押し。
成功をめざしてハードルを越えていく。

そして2017年からは現職ですね。

はい。現在は電気部で設計業務のマネジメントを担当しています。寝屋川市駅~枚方市駅間の連続立体交差化事業をはじめ、変電所の更新、外部からの受託工事など、大きな案件が目白押しなので、その成功に向けて準備と設計を進めています。

なかでも立体交差化は大規模工事ですね。

向こう10年規模のプロジェクトで、まだ終わりが見えていません。また、大きなプロジェクトという意味では、2019年から電気部と兼務で、京阪ホールディングスの経営統括室にも籍を置き、枚方市駅前周辺再開発事業プロジェクトにも携わっています。

再開発? 鉄道とはまた違う分野…。

鉄道も当然関係しますが、それにとどまらない街づくりプロジェクトです。再開発ということで、京阪の敷地だけではないため、他の地権者の方々も関連する事業です。大阪府や枚方市、地域の方々などと協議を行いながら、最終的に関係者全員が良い結果を得られることを目標に進めています。

当然、ハードルも高い。

まだ、ハードルの高さも数もわかっていませんが、そうしたさまざまなハードルを越えていくことが大きな挑戦だと思っています。バッターボックスに立った限りはやりきる覚悟です。

それにしても、いろいろなバッターボックスに立ってこられましたね。

幸運にもそういうチャンスを頂けました。くずはモールのリニューアルでは、自分の仕事が大きなかたちとなって完成することで、人の集まる場所づくりだけでなく、街づくりの一端を担うことができました。そして現在は、枚方市駅前の人の流れを変えるようなプロジェクトに携わることができている…。鉄道は鉄道でもちろんやりがいの大きな仕事ですが、それにとどまらない多彩な仕事を経験させてもらっていることを考えると、まさに入社前のイメージ通りという印象です。

未来

どんな分野においても
中核を成せる人間へ。

これからの目標や夢を教えてください。

鉄道部門に関して言うと、近い将来に大規模プロジェクトが控えているので、そのプロジェクトを完遂することです。また兼務の枚方市駅前再開発事業についても、数年先に建設工事完了を目標にして進めているので、その竣工を目標としています。

寒川さん自身はどんな成長を遂げていくでしょうか?

どの分野においても中核を成せる人物になりたいと思っています。自分が、人と人の間に入り込んでうまくいくように働きかけていき、私一人でできることは限られるものの、私がいなければうまく回らない、そんな存在でありたいと思います。

最後に学生への、特に理系学生へのメッセージをお願いします。

京阪は皆さんの想像以上にさまざまな分野に挑戦しているので、転職することなく自分に合った分野を探すことができます。特に私と同じように、理系の道を歩んできて「自分がこの先何をしたいか見つからない」という人は、ぜひ事業フィールドの広い京阪をのぞいてみてください。もしかしたら、いわゆるメーカーのモノづくりとは違った、あなたのやりたい仕事をそこで見つけられるかもしれません。

ありがとうございました。