こころまち つくろう KEIHAN 京阪ホールディングス

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トップメッセージ

コロナ禍の厳しい経営環境においても、グループ全体の持続的な成長のため構造改革を進めます。そして新しい時代を見据え、ESGを考慮した経営を通じて社会に貢献してまいります。 コロナ禍の厳しい経営環境においても、グループ全体の持続的な成長のため構造改革を進めます。そして新しい時代を見据え、ESGを考慮した経営を通じて社会に貢献してまいります。

「安全安心」「構造改革」「BIOSTYLE」の3つを柱に経営基盤の立て直しを図る

「グループ経営」を進め、業績をいち早く回復させます

これまで京阪グループは、運輸業、不動産業、流通業そしてホテル業をはじめとするレジャー・サービス業を営み、それぞれが相乗効果を発揮しながら利益を上げてきました。ただ、2020年春に始まったコロナ禍は我々の事業に大きな影響を与えています。京阪電車の2020年度のご利用者数は2019年度比で約3割減少、これまで事業の屋台骨であった運輸業は営業赤字を計上しました。また、レジャー・サービス業もインバウンドがほぼ消滅しホテルの稼働率が低迷したことなどにより、これまでにない厳しい状況となりました。

結果、2020年度の連結業績では、親会社株主に帰属する当期純損失は45億円となりました。これは、2001年度に保有不動産の評価減やグループ会社再編を通じた経営改革を断行し、450億円の特別損失を計上して以来の赤字です。ただし、このときも営業利益ベースでは黒字でしたので、それが赤字となった今回はこれまでにない危機だといえるかもしれません。

ただ一方で、京阪グループでは、人口減少社会を見据えて早くから対策を講じてきました。運輸業、不動産業、流通業そしてレジャー・サービス業の各社がそれぞれ自立し、かつ一体感を高める「グループ経営」を加速し、2016年4月には持株会社化しました。この事業ポートフォリオが功を奏して、コロナ禍の痛手をある程度抑え込めているのも事実です。

足元の業績をみますと、2021年度上期の連結最終損益は黒字に転換し、通期においても黒字を確保する見通しです。今後「グループ経営」をさらに進め、各事業が新しい時代を見据えた事業戦略を積極的に展開し、業績をいち早く回復させていきたいと考えています。

コロナ禍に対応した「今後の事業の方向性」を発表。経営基盤の強化を図ります

京阪グループでは、2018年5月に「京阪グループ長期戦略構想」を発表。2050年を見据えた経営ビジョン「美しい京阪沿線、世界とつながる京阪グループへ」とともに、2026年度を目標年次とする「長期経営戦略」を進め、「沿線再耕」「観光共創」「共感コンテンツ創造」の主軸戦略を推進してきました。

ただ、コロナ禍で経営環境が激変したことを受け、2018~2020年度の中期経営計画については、2019年度に一定の成果をすでに上げたこともあり終了し、2020年11月に「今後の事業の方向性」を発表しました。これは、人々のライフスタイルが大きく変化するなか、京阪グループが事業を維持・発展させていくための方向性を示したものです。

現在進める「今後の事業の方向性」では、ウィズコロナ、アフターコロナを見据え、健康・予防を意識した行動の定着をはじめ、リモートワークに代表される新しい働き方・暮らし方の浸透、環境問題・社会問題への意識の高まりといった社会の動向を踏まえ、「安全安心」「構造改革」「BIOSTYLE(ビオスタイル)」という3つを柱に経営基盤の再構築を図ることとしました。

具体的な施策の一つが、2021年9月25日に実施した、京阪線および大津線におけるダイヤ変更です。これは「構造改革」の一環ですが、お客さまの行動の変化や需要の変動にあわせて、京阪線および大津線における運行本数を大幅に削減しました。一方で、同日より、主に特急・ライナーで運用していた列車種別以外にもプレミアムカーのサービスを広げ、「安全安心」に鉄道をご利用いただけるサービスを拡充しています。

そして、京阪グループが独自性を発揮し、お客さまに共感いただける新たな価値を社会に提供していくことを目的に取り組んでいるのが「BIOSTYLE」です。これはお客さまの暮らしのクオリティを高め、環境をはじめとする社会課題の解決に寄与するライフスタイルであり、いわば「京阪版SDGs」といえるものです。創業以来、継承してきた「安全安心」と「進取の精神」に基づき、時代に先駆けたチャレンジングな施策であると自負しています。

2019年12月には、「BIOSTYLE」のフラッグシップとして、複合商業施設である「GOOD NATURE STATION」を、京都・四条河原町に開業しました。今後、ポストコロナの時代においてこそお客さまから支持されるものだと確信しています。実際、同事業の商品・サービスは、共感、ご利用いただけるお客さまが着実に増えており、事業として確かな手応えを感じています。

将来に向けた一手一手を確実に形にしていく

淀屋橋、中之島、そして枚方市駅周辺の再開発を確実に進め、「沿線再耕」を形にしていきます

京阪線はかつての「京街道」に沿って敷設された鉄道です。高度成長期には沿線人口が急増、発展を遂げましたが、その街も徐々に歳を重ねています。関西では生産年齢人口の減少が1990年代からすでに始まり、1991年に4億人余りを数えた京阪電車のご利用者は2011年には2.8億人弱と約3割減少しました。ここ数年は、インバウンドにより、何とか持ち直していたものの、コロナ禍で一気に3割減となりました。まさに過去20年の減少率を瞬時に受けたような形となっています。

今後、沿線の拠点開発・再開発を順次手がける一方、地域の関係機関との密接な連携を通じて沿線資源の有効活用に取り組んでいきます。京阪御堂筋ビルの建替、中之島未来医療国際拠点の整備、そして枚方市駅周辺の再開発事業は、いずれもそのエリア一帯だけではなく、沿線の顔となり、沿線価値そのものを引き上げる大きなプロジェクトです。2025年の大阪・関西万博も見据えながら、人の流れを活性化し、地域の経済に寄与することが京阪グループの重要な使命であると考えます。

ESG経営の課題と向き合い持続的な成長を目指します

京阪グループにおけるESG経営については、その取り組みをさらに加速していく考えです。環境や人権に対する意識が高まっている現況に対して、企業としてより真摯にかつ真剣に向き合う必要があります。そして、会社という器の中で従業員が「成長している」「幸せだ」と感じることが何より重要です。個々の成長を促す環境をさらに整え、ダイバーシティ&インクルージョンや健康経営といったキーワードに代表される諸施策にも注力していきます。

現在、京阪グループが取り組むべき課題としては、社会課題を解決する事業の創出をはじめ、環境や社会に配慮したオペレーション、成長し続けるための組織・人財の維持や確保、そして持続可能かつ強固な経営基盤の確立などが挙げられます。

なかでも、社会課題を解決する事業の創出については、前述した「京阪版SDGs」を「BIOSTYLE PROJECT」として推進しています。「BIOSTYLE PROJECT」として独自に認証した事業はすでに35件以上に上り、社内外に「BIOSTYLE」の考え方をさらに浸透発信していきます。これによって、SDGs達成への貢献と併行して、各事業の収益力強化につなげていく考えです。

環境問題において、地球温暖化防止策は世界的に待ったなしの状況です。温室効果ガスの削減については今後、最優先で取り組んでいきます。これまでは鉄道中心に「環境にやさしい事業を営んでいる」という意識がなかったかと言えば嘘になりますが、京阪グループ全体として「意識」を変えていく必要があります。

先般、日本政府は、2030年に2013年度比で46%の削減、2050年にはカーボンニュートラルという目標を掲げました。京阪グループの温室効果ガス排出についても、2020年度はコロナ禍による影響があったこともありますが、すでに2013年度比で約37.5%の削減(主要10社合計値比較)と一定の成果を挙げています。政府目標は、高い数値目標ではあるものの、「脱炭素」に向けて、京阪電車13000系をはじめとする省エネルギー車両や電気バスの導入など、今後策定する経営計画において、財務および非財務面で整合のとれた形で情報を開示していきたいと考えています。

2021年7月には「サステナビリティボンド」を発行いたしました。従来の固定観念にとらわれることなく、新たな手法を駆使しながら取り組みを加速させ、グループ全体として「持続可能な社会」の実現に向けて取り組み、私たちも社会とともに成長してまいります。

不易流行 ~ いつまでも変化させてはいけない本質的なものを忘れないなかにも、新しく変化を重ねているものを取り入れていきます

2019年6月に社長に就任して以来、2年以上が経過しました。コロナ禍による厳しい現状を冷静に判断しつつ、今だからこそできる前向きな挑戦を、スピード感を持って取り組んでいきます。

私の座右の銘は、「不易流行」です。いつまでも変化させてはいけない本質的なものを忘れないなかにも、新しく変化を重ねているものを取り入れていく、といったような意味ですが、そのなかには「常に新しいことを追求する姿勢」「変化を恐れることなく挑戦する覚悟」といったものが含まれます。企業経営においても、守りと攻めは常に意識すべきものです。今の京阪グループにおいては「安全安心」という守りと、「構造改革」そして「BIOSTYLE」などのチャレンジという攻めのバランスを取ることが大切と心得ています。まずは、「構造改革」に積極的に取り組み、10年先に向けた中長期の持続的成長につなげるさまざまなチャレンジを続けていく考えです。

なおもコロナ禍で経営を取り巻く環境は厳しい状況が続きますが、「現実」を直視しつつ、京阪グループは常に時代の先を見据えて前進していきます。

株主や投資家の皆さま、お客さまをはじめとして、すべてのステークホルダーの方々の変わらぬご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。