ACTION
京阪グループ各社の
取組み事例
近江舞子プロジェクト
琵琶湖国定公園内にあり、近江舞子内湖(南小松沼)に隣接する社有地において、琵琶湖と比良山系の自然環境を活かしたアウトドアリゾートの整備を進めています。本事業は、自然公園法の国定公園事業執行認可を受けて行うものであり、事業化にあたっては、地域と連携して、自然環境に配慮しながら、整備・運営を進めます。コンセプトプランニングにあたっては、琵琶湖から内湖・湖畔・里山・比良山系へと、グラデーションのように豊かな表情を見せてくれる近江舞子の自然環境をはじめ、受け継がれてきた歴史風土とともに、ここで過ごす時間、季節、体験や出会いが、切り取られることなく連続し、誕生する場所にしていこうと考え、コンセプトを「OMI-MAIKO TONES(近江舞子トーンズ)」としました。本事業は、以下のTONEを大切に進めています。
- ECO TONE :水域と陸域(琵琶湖・内湖から比良山系)へ連続する自然環境
- LOCAL TONE :暮らしの中に自然とともに育まれた歴史・風土
- LIFE TONE :自然の中で体験する遊び・学び
- TIME TONE :日が昇り、夕景となり、星空へ、太陽とともに過ごす一日
- SEASON TONE:季節により感じる四季折々の表情
その第1弾として、2021年春に、アウトドア宿泊施設(グランピング施設)を開業しました。近江舞子内湖に面した立地を活かしてヴィラ(宿泊棟)を配棟、半数の棟にはプライベートカヌーデッキが付いています。カヌーは、敷地内の水辺空間での体験のほか、内湖にもアクセスできます。野鳥をはじめ動植物が主役の内湖では、環境学習とともにカヌーを楽しむことができ、多くの人に体験いただける場所にしていく一方で、自然との共生を重視した事業運営を目指しています。具体的には、自然公園法の事業執行認可申請にあたり、春夏秋冬の自然環境調査(以下「調査」という)を実施し、その中で確認された希少生物や植物を、専門家のアドバイスを受けて、生息環境に適した場所を選定して保全しております。開業後の運営及び維持管理においても、来訪者に周辺の自然環境への影響に配慮した利用ルールをご理解いただき、ここにしかない自然環境を楽しんで頂くよう努めています。また、専門家にアドバイスをいただきながら、地域の方々とともに、子供たちを対象とした自然観察プログラムの場として、また来訪者を対象とした参加型プログラムを通じて、自然環境のモニタリングを実施していく方針です。今後の2期、3期の事業化にあたっても、琵琶湖・比良山系の自然環境を尊重したアウトドアアクティビティやライフスタイルに係る拠点創出を目指し、これら事業を通じて、地域社会への貢献に取り組みます。
京阪電鉄不動産(株)
該当するプロジェクトガイドライン
- GOOD for Health
- GOOD for Minds
- GOOD for Locals
- GOOD for Social
- GOOD for Earth
該当するSDGs目標
地域活性化に貢献する快適なクルーズの取り組み
大阪水上バスでは、天満橋・八軒家浜船着場と枚方船着場を結ぶクルーズ「淀川浪漫紀行」や「スイスク」の運航に取り組んでいます。「淀川浪漫紀行」は、枚方市および国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所、京阪ホールディングスと連携し実施しているもので、淀川舟運の活性化を推進し、淀川沿川のまちの魅力を高め、地域への来訪・交流を促進する取り組みです。約3時間のクルーズでは、江戸時代に盛んだった京都・伏見と大坂・八軒家を結ぶ淀川舟運を体験すべく、淀川語り部による流域案内や「三十石船唄」の音色を楽しむとともに、パナマ運河方式の毛馬閘門の通過体験や、淀川の雄大な景色をお楽しみいただけます。「マイクロツーリズム」として、日常から切り離された優雅な船旅で、歴史再発見で知的好奇心を満たしながら、淀川の自然の中で心と体もリフレッシュできるとご好評いただいております。また、枚方市や「市立枚方宿鍵屋資料館」と協力し、船内で地元物産の販売や地元イベントの紹介、枚方市の定例イベント「五六市」との連携を行っております。また、江戸時代に淀川を往来する三十石船の旅人に親しまれた日本酒を復刻した「枚方くらわんか酒」や、大阪天満宮の水を使用したビール「祝うてエール」を販売するなど、地元物産の販売にも取り組んでいます。「スイスク」は、水辺の歴史、生き物、まちづくり、防災、船の 5 つのテーマを学び、淀川(水の路)への理解、関心を高め、河川愛護や淀川の活性化を目指す講座クルーズです。本企画を通して、乗船者が淀川(水の路)への理解、関心を高めることで、河川愛護の啓発や、淀川ならびに沿川地域への活性化につなげることを目指しています。なお、「淀川浪漫紀行」「スイスク」の運航に使用している船舶「ひまわり」は、明治時代に淀川を往来した川蒸気船をモチーフにして造られた、美しい外輪が特徴的なクルーズ船で、屋上のオープンデッキでは、淀川の歴史とロマンを感じながら景観を楽しむことができます。また、船内トイレは一般的に排水を川に垂れ流す船が大半を占める中、排水を川に一切流さないシステムを採用するなど、河川環境に配慮した設備を備えております。この運航を通し、水の路(淀川)と陸の路(京街道)を淀川舟運とまちの賑わいでつなげ、地域のさらなる活性化をめざしてまいります。
障がい者雇用の推進
京阪スマイルハートは、障がい者の就労機会の提供という社会の要請に応え、障がいのある方々の雇用を積極的に推進する目的で設立され、京阪ホールディングス(株)の特例子会社として、厚生労働大臣の認定を受けています。業務として、OMMビルの京阪ホールディングス・京阪電気鉄道本社のオフィスフロア清掃や、京阪グループ各社の名刺の印刷、文書廃棄や、プリンター複合機の用紙補充、セミナー資料の準備、ウォーターサーバー、給茶機への給水などのオフィスサポートを行っており、快適なオフィス環境の形成や依頼元の残業時間軽減につながっています。また、タンザニア産のオーガニックコットンの落ち綿を原料に使用した紙での名刺作成も行っています。「笑顔と真心で社会に貢献していく」。これは、「京阪スマイルハート」の社名に込めた想いです。当社で働く社員が、協力し合いながらお互いの個性を認め合い、チームとして最大限の力を発揮することにより、会社とともに成長していくことを目指します。また、日々の業務や公文式学習を通して、社員個々の知力・体力・気力を高め、京阪グループに貢献できるよう努めております。
(株)京阪スマイルハート
該当するプロジェクトガイドライン
- GOOD for Health
- GOOD for Minds
- GOOD for Locals
- GOOD for Social
- GOOD for Earth
該当するSDGs目標
安全・安心かつおいしい精肉ブランドの開発
わが国の精肉の流通は産地偽装問題やBSE問題等を経て、牛肉トレーサビリティの整備などにより一定の安全性を確保出来るようになりました。しかしながら、未だ流通経路は複雑で、ブランド偽装等の懸念は完全に払しょくされたとはいえず、一方消費者のし好の変化、輸入肉の台頭や低価格化、また感染症の拡大などにより、国内の生産者にとって厳しい状況が続いています。そのような状況の中、京阪百貨店では、精肉ブランドとして『沖縄あぐ~豚』『宮崎ハーブプレミアム』の販売を行っています。
『沖縄あぐ~豚』は、価格が牛肉並みに高額ですが、すっきりジューシーな肉質が消費者に支持されています。飼料に関して、これまでの海藻をメインとしたものから泡盛の酒粕に変更しました。これは毎年生産者と直接意見交換を行っている中で、泡盛の酒粕が一部利用はあるものの、大半が廃棄されている現状から変更したものです。この成功を受け、全国の百貨店でもめずらしい直営の食品部門を持つ当社と、仕入先メーカー、ミートパッカー(屠畜解体業者)、生産者及び飼料会社が一体となり開発したのが次世代黒毛和牛『宮崎ハーブプレミアム』です。生産から販売まで一貫した、全工程の顔が見える画期的な取組みであり、販売開始後も『沖縄あぐ~豚』も含め、現地での試食官能評価を実施し、品質の向上に努めております。さらに生産者が百貨店の売場で試食販売を行い、直接お客様の声をフィードバックしたり、当社の若手社員が生産の現場を視察し、屠畜解体の工程を学ぶことによって「命の大切さ」を体感するなどの活動を継続して行っています。
品質の向上と値崩れを防止し、安全安心かつおいしい精肉を継続して生産供給することで、「消費者」「販売者(我々)」「地域社会」に加え、「生産者」が「四方よし」となるサプライチェーンを作る取組みです。
車両リニューアル
近年、地球温暖化が深刻化しており、その中でも、CO2の排出の抑制においては各国・企業で取り組みが行われています。当社では、鉄道車両の新造および改造にあわせて、省エネルギー化を進めています。2020年10月には723号車のリニューアル工事に伴い、車内の照明、前照灯および尾灯、行先表示器にLEDを採用することで、省エネルギー化を図り、CO2削減を推進しています。また、内装デザインでは、京都らしさの演出として、座席の仕切り部に、京友禅の生地を硝子に封入した「京友禅硝子」を使用しています(制作はキモノ創りを手掛ける木村染匠株式会社によるものです)。今後も計画的に700系車両のリニューアルを進めていくなかで、同様に省エネルギー化を図っていきます。
叡山電鉄(株)
該当するプロジェクトガイドライン
- GOOD for Health
- GOOD for Minds
- GOOD for Locals
- GOOD for Social
- GOOD for Earth
該当するSDGs目標
森林資源の循環利用を推進、「苗木を還そうプロジェクト」も開始
ゼロ・コーポレーションは、2012年より注文・建売住宅に関わらず全棟において、通し柱・管柱・小屋束・腰壁柱に国産材(宮崎県産材)を使用することで、日本の山や森林を守り育てるとともに、CO2削減に取り組んでおります。
山や森林を守るためには、植林し、山を育て、伐採するサイクルを継続して行うことが大切ですが、輸入材との競合等による国産木材需要の減少や価格の低下、それにともなう山や森林の所有者の高齢化や意欲減退、林業の担い手不足等の課題を抱え、循環サイクルがうまく機能していないのが現実です。また、近年は自然災害の頻発やパンデミックなど想定外の事象の発生により、事業継続に不可欠な原材料の供給が遅れる、不足するといった事態にもつながり、サプライチェーン構築も急務となっています。
当社は、これらを現状を背景に、公益的機能発揮に向けた多様な森林づくりや林業の担い手の確保育成を図り、森林資源の循環利用を推進するとともに、より堅固なサプライチェーンの構築を目指して、宮崎県・同森林組合連合会・同木材協同組合連合会と、上記を目的とした包括的な連携協定を2020年12月18日に締結いたしました。
また、翌2021年より、当社が1年間にお引渡しした棟数に使用した柱の本数分に必要な苗木を山に還す「苗木を還そうプロジェクト」も開始いたしました。このプロジェクトを通して、再造林の支援およびCO2吸収にも取り組むとともに、宮崎県の林業・木材産業に精通した未来のリーダーを育てる「みやざき林業大学校」(宮崎県美郷町)のサポートチームにも参加し、再造林を支える新たな林業従事者の育成にも寄与し、健全な山や森林の循環サイクルに貢献いたします。
【参考】寄付初年度(2021年度)に関する数字
・寄付額 4,620,800円 ※361棟分
・寄与する苗木本数(2022年度植林)57,760本 ※理論値
・CO2吸収量 樹齢2年目・28ヘクタール分 ⇒ 約 338t-CO2(2023年度) ※理論値
(株)ゼロ・コーポレーション
該当するプロジェクトガイドライン
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- GOOD for Social
- GOOD for Earth