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こころまち つくろう 活動レポート

[こころまちつくろう 活動レポート Vol.43]“GOOD NATURE”という新しいライフスタイル。 ~「人にも地球にもいいことをもっと楽しめる社会へ」、その取り組みに迫る~

京阪グループでは、110年にわたって鉄道事業で追い求めてきた「安全安心」の理念を、くらしへ、社会へ、環境へと拡げる取り組みを進めています。その中核となる概念が「BIOSTYLE」です。2019年12月には、京都・四条河原町に「BIOSTYLE」の考え方を形にした施設「GOOD NATURE STATION」が誕生しました。今回は「GOOD NATURE STATION」の取材を通して、京阪グループが今後めざす循環型社会への貢献のかたちと、新しいライフスタイル提案の全容をご紹介します。

信じられるものだけを美味しく、楽しく

「BIOSTYLE」とは、身体に良いもの、生産者や作り手の想いがつまったものを商品やサービスとして展開することで、健康的で美しいくらしを実現するとともに循環型社会に寄与しようという京阪グループが提案するライフスタイルです。ひとや地球に良いものを取り入れていくことで、くらしの価値を高めるとともに、持続可能な社会の実現をめざすSDGs(Sustainable Development Goals =持続可能な開発目標)の達成にも貢献することを目的とします。2016年から5回にわたって実施してきた「BIO-ICHI(こころまち つくろう 活動レポート Vol.28 京阪のやさしさを“食”でまるごと体感!)」や「GOOD NATURE market」も、こうした活動の一環でした。
世の中には、すでにナチュラルやオーガニックなものは数多く登場しています。ただ、人にも自然にも良いものを取り入れたくらしは、少しストイックでハードルが高い…、そう感じる方が多いのではないでしょうか。生活のすべてではなく、ひとつでも「自然」にすることで始まる彩りあるくらし、信じられる生産者が作ったものがすっと手を伸ばせばそこにあるくらし、そんな肩ひじを張らないスタイルなら気軽に楽しめるのではないか。そこで、楽しみながら健康的で良いものを自分らしく取り入れる新しいライフスタイルを“GOOD NATURE”と名付けました。

そして生まれた
「GOOD NATURE STATION」

「GOOD NATURE STATION」は、「BIOSTYLE」の考え方を形にした複合型商業施設です。「健康」「心」「地域」「社会」「地球」、この5つに本当に良いと思えるものだけを集め、SDGsに貢献することをめざしています。「信じられるものだけを、美味しく、楽しく」をキャッチフレーズに、ストイックな「BIO」から、もう少しゆるやかで楽しく、人も地球も自然体で元気にする“GOOD NATURE”なモノ・コトが集まる場所としてオープン。何かを我慢して実現するナチュラル志向ではなく、心はずむ、本能的に心地よいナチュラルが集まっています。STATIONという単語には、単に駅というだけではなく、出会いや集い、ターミナルといった意味合いも含まれています。トレインステーションからライフステーションまで、幅広い価値観を提供していこうという想いからこの名称になりました。

サステナブルでエシカルな
モノ・コトと出会うフロア

「健康」「心」「地域」「社会」「地球」、
この5つにGOODな「5 GOODサラダ」

全館において、サステナブル(=持続可能な)でありエシカル(=倫理的)であることをめざし、さまざまな取り組みを展開しています。例えば1階のマーケットゾーンの「KITCHEN」で大人気の「5 GOODサラダ」は、野菜の皮や葉、根までを可能な限り使いきります。素材が持つ本来のおいしさを余すところなく味わうとともに、食品廃棄の減量につなげます。必要な量だけ購入できるスタイルでフードロスに貢献するナッツコーナーでは、プラスチック製のフタが不要な紙製折りたたみ式バタフライカップを使用。コーヒーなどの飲料も、このユニークなカップでお持ち帰りいただきます。バタフライカップを含め、提供する容器・カトラリー(ナイフ、フォークなど)類はすべて植物素材のバイオプラスチックや紙素材、木製素材を使用し、容器・包装の環境負荷低減に努めています。また、分別コーナーには食べ残し用のボックスも設置。施設内で出た食べ残しや食品廃棄物は生ゴミ処理機で処理し、農業用肥料として活用します。そうすることにより、館内から出た食品の余り物を活かして豊かな土壌を作り、おいしい農作物を育んで、それをまた収穫していただくという循環型農業の実現にも取り組んでいきます。

  • 必要な量だけのナッツを紙製の折りたたみ式バタフライカップで購入。コーヒーなどのテイクアウト用にも。
  • 紙類、プラスチック、ペットボトル以外にも食べ残しも無駄なく再利用できるよう細かく分別して廃棄できるコーナー
  • 『近江園田ふぁーむ』ではGOOD NATURE STATIONから出た食品ロス堆肥を使用した循環型の米作りが始まりました

“GOOD NATURE”に触れて、楽しむ

京都・嵐山にある「発酵食専門」の
『発酵食堂カモシカ』オリジナルの発酵食品や
選りすぐりの食品を販売

地球環境への配慮に加えて、訪れた方がそれぞれの“GOOD NATURE”を見つけ、触れて、楽しめる工夫を凝らしているのも「GOOD NATURE STATION」の魅力です。京都に留まらず、日本全国、世界から“GOOD NATURE”の息づくものが集い、食べる・買う・泊まる・癒される多彩な体験を通じて“GOOD NATURE”を心と身体で楽しんでいただけます。1階のマーケットゾーンには丹精込めて作られた野菜やワインのほか、何代と続く老舗の作り手の食品や調味料、京都を代表する発酵食専門店などの人も地球も元気にする食品が並びます。3階の化粧品、クラフト、カフェ、トータルビューティサロンのフロアでは台風被害で倒れた美山の樹齢100年以上の古木がベンチに。廃材にするのはしのびないとメンテナンスに手がかかるのを承知の上で蘇らせました。アロマ効果をもたらす精油も国産の和精油をそろえ、1階にあるホテルのエントランスでは、これらの精油を中心にブレンドしたオリジナルの香りが月替りでお出迎えします。クラフトゾーンの『KA SO KE KI』では、金閣寺や銀閣寺の修繕の際に出た古材で作られた名刺入れなども販売。ここでしか買えないと好評を博しています。

  • 日本中からセレクトした和精油は
    ホテルのエントランスでも月替わりで
    香りのお出迎えをしています
  • 金閣寺や銀閣寺の修繕の際に出た古材で
    作られた名刺入れはその珍しさ・希少性で
    人気のアイテム
  • 「生活に寄り添う器」をコンセプトに、
    日常づかいの清水焼を提案する
    「トキノハ」の器

京都の中心にありながら
喧騒を忘れ、静寂に憩う
GOOD NATURE HOTEL KYOTO

4~9階に広がる「GOOD NATURE HOTEL KYOTO」は、すべての人にゆったりと心地よいステイをお約束します。京都についての豊富な知識はもちろんのこと、“GOOD NATURE”な楽しみ方にも精通したコンダクターが、お客さまを笑顔でお出迎え。こだわりのバスアメニティやウェルカムスイーツ、ローカル体験ツアーなどが心と身体に楽しい時間へご案内します。ホテル空間の内装には、経年変化する天然木をふんだんに使用しているため、訪れるたびに少しずつ味わいが増す愉しみを味わっていただけます。4階に広がる空間は、木と緑があふれ、自然に恵まれた京都のおおらかさに包まれるようなスペースとなっています。また「GOOD NATURE HOTEL KYOTO」は、建物内で暮らし、働くひとの健康や快適性に焦点を当てた建物・室内環境評価システムWELL(WELL Building Standard™)認証を取得申請中です。ホテル版評価基準によるWELL認証を取得した場合、ホテルとしては世界初となる見込みです。

「京阪とくらす」時間を豊かに
創造していきたい

「GOOD NATURE STATION」のめざすところについて、株式会社ビオスタイル 髙原英二(たかはら えいじ)代表取締役社長にお話を伺いました。

開業して4ヵ月が経ちました。お客さまの感触はいかがでしょう。

時間を見つけては売場に足を運び、お客さまの反応を確かめていますが、開業前の不安を払拭するくらい良いご評価の声を耳にします。とくに若い方からは「おしゃれ!」「京阪やるやん!」とか『RAU(ラウ)』のケーキを見て「かわいい!」などと、とにかく感嘆符の多いお声を頂戴します。感嘆符が飛び出すということは、驚きや新鮮さを感じていただいていること。この施設を創るにあたって「商業ビルとはこんなものだと刷り込まれている概念を全部疑い、既存のイメージを一旦壊そう。古き良きものはわきまえながら、新しいものを提案しよう」と決めていたので、そんな我々の想いが伝わっていると手応えを感じています。

商品を卸していただいているパートナー会社さんの反応はいかがですか?

こちらも、ありがたいお言葉を数多く頂戴しています。代々京都で営んでこられた農家さんや伝統を継承した食品を信念をもって作っていらっしゃる方々が多いのですが、皆さんがおっしゃるには、手間ひまかけて作ったこだわりの品々が、ひとつの想いでまとまって並ぶ場所はこれまでなかったそうなんです。ここでは、それができていると。お客さまにきちんと商品の魅力をお伝えできる場所ができた!と喜んでいただいているのは、私たちとしてもうれしい限りです。

オリジナルのコスメブランド『NEMOHAMO(ネモハモ)』やフードブランド『SIZEN TO OZEN(しぜん と おぜん)』など、ここから発信される自社商品も登場しました。鉄道会社が化粧品や食品を作って驚かれませんか?

意外性は指摘されますが、品質の良さを体感されると、そこはもう関係なくお買い求めいただいているようです。京阪グループが鉄道事業の「安全安心」の理念を、くらしへ、社会へ、環境へと拡げようと取り組む中で、化粧品も手がけることになり、数年がかりで『NEMOHAMO』を作りました。石油由来の原料に頼る業界の常識に挑み、天然成分のみで製造し、水さえも加えない植物そのものの力を凝縮した化粧品シリーズです。ブースターオイルとバランススキンローションは、2019年の『サスティナブルコスメアワード』において、最優秀賞と選考委員長の岸紅子賞をいただきました。いわば京阪の「安全安心」の理念が、化粧品の世界でも認められたわけです。こうした取り組みを、くらし全般にもっと推し進めていきたい。「GOOD NATURE STATION」は、その発信拠点だと思っています。

『SIZEN TO OZEN』のファインカカオのカレーとカカオ和紅茶もすごくおいしかったです。

カカオ豆をチョコレートにする際、ハスクと呼ばれる皮部分約25%が廃棄処分になるんです。一方でそこにはチョコそのものよりもポリフェノールが豊富に含まれているとも言われており、捨てるのはもったいない、どうにかできないか?とみんなで取り組みました。あえて皮付きのままのカカオ豆をコスタリカから輸入し、通常廃棄される部分も活用しました。ファインカカオカレー、カカオ和紅茶、「カカオ琥珀糖」という京都の和菓子屋さんとコラボしたお菓子も、お土産物として大好評をいただいています。私たちの発想は“ゴミゼロ”が先にあるのではなく、こんなにおいしいものを捨てるなんてもったいない、だから上手に活かそうという考え方。それが結果としてフードロスにつながるのが理想です。カカオシリーズは、そんな流れが成功した幸福な例です。

  • コスタリカから殻付きのまま
    輸入されるカカオ豆
  • オリジナルスイーツブランド『RAU』の
    工房で作られるタルトショコラ
  • カカオの皮部分を使用し、薫り高い
    「ファインカカオ」のコクが特徴のカレー

全館、フロアが広々としているのも印象的です。

設計時に「ベビーカーが悠々と通れる通路幅にしよう」と決めたんです。全フロアが自社直営なので、壁の仕切りを圧倒的に少なくすることで空間を広々と感じていただいています。4階のホテルロビーフロアなども、ゆったりと憩いを楽しんでいただける開放スペースです。お越しいただいたお客さまに、次もまた来たいと思っていただくためにも、大切なのは「ひと」だと思っています。AIの時代といわれますが、「ひと」を惹きつけるのに、「ひと」に勝るものはありません。紹介文化が色濃く残る京都との親和性もあります。だから同じAIでも、私たちに必要なのはArtificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)ではなく、Analog Intelligence(アナログ・インテリジェンス)だと、いつも言っているんです。

株式会社ビオスタイル
代表取締役社長 髙原英二さん

最後に、これから「GOOD NATURE STATION」がめざすところをお教えください。

京阪グループは、110年前から電車を走らせ、沿線に住宅や商業ビル、ホテルを建てて街を創り上げてきました。そして、鉄道という交通インフラで皆さまの日常を安全安心を基にお客さまの生活を支えてきました。次は、くらしのさまざまなシーンの中に入って、京阪の安全安心の真心をお届けしたいです。その時に「GOOD NATURE STATION」にある“GOOD NATURE”なモノ・コトは、皆さんのくらしを楽しく彩ってくれると確信します。お母さんが化粧品で満ち足りた気分になり、お父さんはシャンプーで気持ちよくリフレッシュする。食卓では美味しいカレーを囲んで団らんが広がる。そんな風に、京阪とくらす時間がもっと豊かに、彩りにあふれて広がるのが理想だと思うんです。可能性は無限に広がります。「GOOD NATURE STATION」には、自社ブランドはじめさまざまなツールがありますから、それらを上手に活かして、京阪グループ全体で価値を共有する。そして、皆さまに豊かで新しいライフスタイルを提案したいと願っています。

心と身体にいいこと
「GOOD NATURE STATION」で
体感してください。

2019年12月9日に四条河原町にオープンした「GOOD NATURE STATION」。記事でご紹介したほかにも、見どころ、遊びどころ、体験コンテンツなど魅力があふれています。ぜひ足を運んで、新しいライフスタイルの幕開けにタッチしてみてください。“GOOD NATURE”なモノ・コトに迫ったウェブサイトも情報満載です。

GOOD NATURE STATION|信じられるものだけを、美味しく、楽しく。
https://goodnaturestation.com/

2020年4月掲載

第20弾 株式会社ビオスタイル 第20弾 株式会社ビオスタイルのポスターを見る

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