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こころまち つくろう 活動レポート

[こころまちつくろう 活動レポート Vol.02]淀駅高架切り替え工事レポート~時間との戦いに挑む職人たち~

2011年5月27日夜半、京阪本線淀駅付近の上り線高架化切替工事が行われた。
その工事内容は、先に高架化された大阪方面行きと同様、京都方面行きの旧線路を切断し、高架の新線路に繋げるというもの。終電後から始発までのわずかな時間内に、確実かつ安全に線路を切り替えなければならないのだが、翌朝も通常どおり電車を運行するため、万が一の失敗も絶対に許されない。京阪電鉄社員と協力会社社員の約600人以上が線路切替工事に参加し、緊張の中その幕を開けた。

00:15
上り京都方面行の最終列車が通過。工事着手。

上り京都方面行の最終列車が通過。工事着手。
まずは高架へとつながる新線路の先端部にあわせて旧線路を切断。(上部メイン写真)

男たちの大きな掛け声がこだまする

01:30
寄路(よせろ:線路寄せ作業)開始。

長さ300メートル以上の旧線路を新線路の方へつなげていく。
約50人の男たちがいくつものチームに分かれ、バールを使い人力で線路を寄せていく。
リーダーの号令とともに、大きな掛け声が深夜にこだまする。じわじわと旧線路を新線路の方へと近づけていくとともに、架線もあわせて付け替える。結合までもうすぐだ。

03:30
線路結合作業開始。

線路結合作業開始。
レールをつなぐ継目板が取り付けられる。旧線路が新線路に結合された瞬間。

工事が無事成功した瞬間

04:00
試運転車両が工事現場へ。

試運転車両が工事現場へ。 淀車庫を出た試運転車両がゆっくりと工事現場へと向かってくる。
工事に関わった作業員全員が線路状態の最終確認を終え、試運転車両の到着を見守る。 この日、現場が最も静かになった瞬間だった。

04:10
試運転車両が接続ポイントを無事通過。

試運転車両が切替地点を無事通過。
試運転車両が切替地点をスムーズに通過。寄路をした約300メートルを走行した後、同じ線路を引き返して淀駅へと向う。
作業員にも安堵の表情が見られる。工事は無事成功をおさめた。

社内でも切替工事のスペシャリストとして知られる土岐

「段取り八分」の極意。

作業総括責任者として、本部で陣頭指揮をとった建設課土岐課長に、線路切替工事について話を聞いた。

線路切替工事はまさに「時間との戦い」です。始発電車が走るまでの限られた時間内で、必ず工事を成功させなければなりません。この工事は、保線・架線・信号などを中心にして、作業の場所や内容が多岐にわたり、さらに、それらが幾重にも重なってできている集合体です。それぞれが時間通りに工程を消化していくためには、事前に綿密な調整を行い、工程表を作成することが最も重要です。このことから切替工事は、まさに“段取り八分”という表現がピッタリです。
本部は現場の進捗を適宜確認して、次の手順を発令したり、あるいは、トラブルが発生した場合、全体の状況を総括して善後策を指示するといった司令塔的な役割を果たします。今回は2年前に行われた下り線高架切替工事(大阪方面行き)の経験や反省を活かすことで、厳しい条件ではありましたが、みんなが一丸となって課題を解決しながら工程表を作成することができました。当日は雨天でしたが、もちろんこれも想定内。無事に工事を完了できて、改めて現場の高い技術力と対応力に誇りを感じました。