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こころまち つくろう 活動レポート

[こころまちつくろう 活動レポート Vol.08]人と、文化と、芸術のあるステーション。~『アートエリアB1』における取り組み~[京阪電車中之島線なにわ橋駅]

改札から地上へと通じるコンコースを歩くと、何やら楽しげな吹奏楽の音色が聞こえてくる―。
京阪電車中之島線の開業を機に企業・大学・NPO法人が協同で立ち上げた『アートエリアB1』。
“文化・芸術・知の創造と交流の場”をコンセプトに創られたこの場所は今、街における駅の新たな可能性を示してくれています。

アートスペースコンコースに広がる約440m2のアートスペース。常時多様なイベントが催されている。

行き交う場所から、交流する場所に。

“コミュニケーション空間としての駅”の実現に向け模索を始めたのは、実は中之島線建設中の2006年。企業・大学・NPO法人が協同で、都市空間における駅の可能性を模索する『中之島コミュニケーションカフェ』を実施し、これを継承して2008年10月の中之島線の開業を機に『アートエリアB1』がオープンしました。以降、大阪大学主催のワークショップや、関西を拠点に活動する気鋭アーティストによるアートイベント、2009年には水都大阪との連携イベントを企画するなど、人々や街と一体化した新しいスポットとして機能しはじめました。

アートエリアB1京阪電車中之島線なにわ橋駅地下1階にある
『アートエリアB1』。

駅を進化させる、
アート&カルチャー。

「中之島エリアは、昔から文化や芸術が集積する場所でした。その街を走る路線として、これまでの旅客輸送機能のみを担う役割ではなく、何か新しい機能を駅という存在が担えないかと考えていました」と話すのは鉄道企画部の冨田係長。駅の可能性を模索していく過程で彼らが着目したのが“文化(カルチャー)と芸術(アート)の力”でした。「『アートエリアB1』はオープン以後、大阪大学各教授によるさまざまなテーマのワークショップの定期開催や、気鋭のアーティストとのコラボレーション企画など、対話プログラム、ダンスパフォーマンス、インスタレーション(架設空間展示)をはじめ多岐に渡るプログラムを実施してきました。今日開催されている日本センチュリー交響楽団メンバーの皆さまによる公演も、いつもその美しい音色で行き交うお客さまの耳を驚かせているようです。」

高校生の若いパワーが駅中にはじけたプロの音楽家達とのセッションでは高校生の若いパワーが
駅中にはじけた。

取材当日に開催されていたのは、毎月恒例のイベントになりつつある日本センチュリー交響楽団メンバーによるクラシックコンサート。
夏休み特別企画として、同志社香里高等学校吹奏楽部の皆さまを招き、若々しく華やかな吹奏楽の音色が駅のコンコースに響き渡っていました。「駅でクラシックを演奏するという“違和感”が、今までにない発見を生み、新たな可能性を感じさせてくれます。もちろん、音楽だけではありません。大阪大学の教授の方々が開催してくれるワークショップも人気ですし、国内外で活躍するアーティストとの共同企画によるアートプロジェクトも鉄道会社である私達としては新しい取り組み。これからもお客さまに興味を持っていただけるイベントをどんどん企画していきたいと思います。」

管楽器が体験できるワークショッププロの指導のもと、管楽器が体験できるワークショップも行われた。

人が集い、笑顔のある駅を、つくる。

パチパチパチパチパチパチパチパチ―

日本センチュリー交響楽団メンバーによる演奏が終わった後も、コンコースには鳴り止まない拍手が。「気軽にクラシックを聴きに来た」というお客さま。「吹奏楽部の応援に来た」というお客さま。「たまたま前を通って立ち寄った」というお客さま。この日は“音楽”という一つのテーマのもとに、人と街が融合した瞬間を感じ取ることができました。「音楽はもちろん、文化(カルチャー)や芸術(アート)の持つ力は計り知れません。アートエリアB1は決して大きなスペースではありませんが、今日のようになにわ橋駅のコンコースがたくさんの人の笑顔で溢れることは、私たちとしても嬉しいことです。なにわ橋駅周辺は多くの方々が働き、遊び、生活しています。お客さまが単に“利用する駅”ではなく、“集う駅”になることを目標に、これからも運営していきたいと思います。」冨田さんら鉄道企画部のチャレンジと創造活動は、まだまだ続きます。