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こころまち つくろう 活動レポート

[こころまちつくろう 活動レポート Vol.04]皆さまから親しまれる「パブリック」なゴルフ場をめざして ~樟葉パブリック・ゴルフ・コースとブラインドゴルフ~

「ブラインドゴルフ」とは、視覚障害者の方が行うゴルフのこと。
2011年11月、樟葉パブリック・ゴルフ・コース(以下「樟葉ゴルフ場」)において通算9回目となるブラインドゴルフの全国大会が行われました。樟葉ゴルフ場は毎年この大会のために全コースを貸し切り、ブラインドゴルファーの方々へ施設提供を行っています。
この活動について、取締役支配人の根来泰治さんにお話をお聞きしました。

グリーンのすぐそばまで行くことができる乗用カート。
ご高齢の方も楽にプレーできる。

ブラインドゴルフにも適した
本格派ゴルフ場

視覚障害者のゴルフ(以下「ブラインドゴルフ」)をサポートするようになったきっかけを教えてください。

根来:大会を主催するNPO法人の会長とお付き合いがあり、大会におけるコースの提供を打診されたのがきっかけです。ぜひお力になれればと、すぐに了承させていただきました。
そもそも日本のゴルフ場は、山を切り拓いて造られた“山コース”がほとんどです。コースのアップダウンが激しいためラウンドするだけで疲れてしまい、ブラインドゴルファーから『楽しむ余裕がない』という声が挙がっていたようです。しかし樟葉ゴルフ場は誰にでも歩きやすい平坦な“河川敷”。もしラウンド中に疲れても、乗用カートでフェアウェイ内も乗り放題だから安心というわけですね。ラウンドしているゴルファーも平坦なコースのため、見つけやすいですし、少数のスタッフでも大会を管理できます。このような条件からブラインドゴルフの大会を行うのにとても適していたのですね。

安心してブラインドゴルフに集中できそうです。

根来:たしかにそうですが、それだけではスポーツとしての醍醐味に欠けてしまいます。樟葉ゴルフ場は20年以上も国際トーナメントが行われていたコースですから、ゴルフ本来の「攻略する楽しさ」が備わっています。一般のお客様でも『河川敷だから簡単』と思われている方は、しばしば“大叩き”をされてクラブハウスに戻ってこられますね。

ブラインドゴルフはサポーターとの二人三脚。
パートナーとの信頼関係も大切。

見ていて気付いたのですが、ブラインドゴルフは一打にかかる時間が通常に比べて少し長いです。

根来:ボールをセットして、サポーターの方に体の向きを合わせてもらって、打つ位置を確認して…。その後、スイングの軌道を頭の中で何度もイメージされるようです。この一連の動作を全ホール、一打するたびに繰り返し行うのですから、とても時間がかかります。おそらく晴眼者(視覚に障害がない方)のゴルフより、高い集中力が必要かと思われます。私も想像でしか語れませんが、とても難しいスポーツだと思いますよ。
神経を研ぎ澄ましているせいか、ブラインドゴルファーの方は晴眼者の方より感情を表に出して喜び、悔しがる方が多いです。おそらく晴眼者よりも「ゴルフができる喜び」が大きいのでしょう。一打ごとにご自身の気持ちを込めておられます。そのようなシーンを見ていると、コースを提供している私たちも嬉しさが湧いてきますね。
お上手な方は晴眼者並みのスコアで回られます。もともとゴルフがお上手な方が視覚障害を持たれた場合は、体が覚えていますから。もちろん、私よりも断然お上手ですよ。

樟葉駅のすぐ北側。
京阪電車はゴルフ場のすぐそばを走っている。

お客さま一人ひとりの
「スポーツ」のために

改札からクラブハウスまで徒歩1分、近隣にお住まいの方は徒歩や自転車で来場することができます。

根来:そのせいか、さまざまなタイプのお客さまに来ていただき、とてもありがたく思っています。毎日ひたすら打球練習場でボールを打ち続けておられる方や、スコアは二の次でウォーキングがてらラウンドされる方。さらにはゴルフよりもレストランでの食事を楽しみにしておられる方など、いろんな方に来ていただいております。
私たちの業務はゴルフ場の運営ですが、そもそもこの場所は「パブリック」な土地です。ゴルフ以外にも健康のためにジョギングやウォーキングをされる方、天気がいい日に河川敷を散歩される方もおられます。ゴルフ場の運営だけにとらわれず、存在の社会性、共益性を認識した運営を目指したいと考えております。

運動後にリラックスできる施設も整っています。

根来:ラウンドプレー後は、浴場のご利用をおすすめします。大きくて清潔なお風呂は、樟葉ゴルフ場の自慢です。ゆっくりと温まった後はレストラン「芦刈」でおいしい食事を召し上がってください。ボリューム満点の定食から、おつまみの一品料理まで豊富なメニューをご用意しております。汗を流した後のビールは、本当に格別ですね。もちろん、ビールは電車で来られたお客さまだけの特権ですよ。改札まで徒歩1分ですから、帰り道を迷うことはないでしょう。

取締役支配人 根来泰治

ありがとうございました。

根来:こちらこそありがとうございました。皆さまのご来場を心からお待ち申し上げております。