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こころまち つくろう 活動レポート

[こころまちつくろう 活動レポート Vol.23]びわ湖独自の食文化、鮒ずしを守れ!〜滋賀県、沖島漁業協同組合、琵琶湖汽船による三位一体の取り組み〜

赤い外輪がシンボルの遊覧船ミシガンなど、びわ湖を往来するさまざまな観光船。これらの多くは、京阪グループの琵琶湖汽船が運航しています。同社は、最近ではびわ湖の自然や食文化を体感するクルーズに注力しており、今回は、そのうちのひとつ「鮒(ふな)ずし作り体験クルーズ」に同乗しました。「沖島」へのクルーズと、びわ湖の固有種ニゴロブナを使用した郷土料理作りの様子をレポートします。

滋賀県水産課、沖島漁協、琵琶湖汽船が三位一体で企画

びわ湖には50種類を超す固有種をはじめとして多くの淡水の生物が生息しており、縄文期より漁業が盛んでした。その豊かな恵みのもと、伝統的な漁法や独特の魚食文化が育まれてきましたが、近年の環境・生態系の変化や漁を営む方々の高齢化によって存続が危ぶまれています。そこで、漁業が主な産業である沖島の漁業協同組合と、稚魚の放流により固有種の回復や食文化の保全などに取り組む滋賀県水産課、そして琵琶湖汽船が手を結び、びわ湖の魚食文化と漁業の持続的発展をめざす取り組みが、2009年からスタートしました。

大津港から観光船「megumi」に乗ってGO!「鮒ずし作り体験クルーズ」

鮒ずし作りの舞台は、びわ湖最大の島・沖島(近江八幡市)。大津港から「megumi」で出港です。「megumi」は、バイオディーゼル燃料対応のエンジンを積み、太陽光や風力による発電システムも備えた、環境にやさしい観光船です。今回は台風の影響で日程変更を余儀なくされ、開催当日も午前中はあいにくの雨でしたが、参加者の半数以上がリピーターという人気ぶりで、お客さまの多くがマイ樽をご持参。中には初回より7年連続ご参加というお客さまもおられました。鮒ずし作りの学習DVDを鑑賞するうちに、1時間ほどで沖島に到着しました。

「沖島」は国内で唯一、世界でも珍しい淡水湖に浮かぶ“人の住む”島

沖島は、南北1㎞、東西2.5㎞で面積1.5㎢の小さな島です。湖沼の島に人が住む例は日本では唯一、また世界でも数少ないため、学術的にも注目されています。約320人の島民のほとんどの方が漁業関連の仕事に関わり、びわ湖と強く結びついた生活をされています。この島で湖国の伝統食の一つである鮒ずし作りにトライするのは、まさにびわ湖独自の魚食文化に触れる絶好の機会。漁協の方々が春に子持ちのニゴロブナを捕獲し、内臓や浮き袋を取り除いて3ヶ月ほど塩漬けしたものと、発酵に欠かせない白米を炊き上げて待っていてくれました。

漁協の方々のご指導で鮒ずし作りスタート!

この企画では、滋賀県水産課が開発したビニール袋を使う新しい製造方法で鮒ずしを作ります。水替えが不要な漬け方で、密閉させたまま発酵が可能であることと、外部への臭いの発生がほとんどないのが特長です。港からすぐの漁協作業場へ移動して体験がスタート。最初の作業は「磨き」。「磨き」とはタワシで塩とともに魚のウロコなど表面の汚れをこすり落とし、流水できれいに洗う作業。磨きがいい加減だと仕上がりに臭みが残るので、皆さん作業に集中。最後に陰干しをして午前中の作業は終了です。

婦人部お手製の美味しい島ごはんをいただいて、午後は仕上げの「飯づけ」作業

ランチタイムには、漁業組合婦人部お手製の島の料理が並びました。天然のビワマスのお刺身とアラの潮汁、小鮎の山椒煮、スジエビと地野菜のかき揚げ丼、鮒ずしと、まさにびわ湖の恵みのラインナップ。午後は、陰干ししたニゴロブナのお腹やエラにご飯を詰め、ご飯とともに樽に漬け込む「飯(いい)づけ」作業にチャレンジ。これが終われば、鮒ずし作りは完了です。あとは晩秋の食べ頃になるまで漬け込んで発酵を待ちます。
沖島の皆さんに別れを告げ、大津港に戻った頃には雨もあがって美しい夕焼けが広がっていました。

企画クルーズを通じて、「びわ湖文化」と島の活性化に貢献したい

今回のツアーに添乗した琵琶湖汽船の森 香子(もり きょうこ)さんにお話をお伺いしました。

鮒ずし作りは、とても貴重な体験でした。大変好評な企画のようですね。

「おかげさまで、毎回多くの方に好評をいただいております。かつて、水質の変化や外来種の繁殖などによってニゴロブナは激減、鮒ずしを家庭で漬けるという文化も危機に瀕していました。近年、ニゴロブナの産卵場となるヨシ帯の保護や稚魚の放流など、滋賀県水産課さんや漁業団体の皆さんのご尽力のおかげで漁獲量は以前に比べて回復傾向となってきたため、こうした企画を開催し、多くの方々に鮒ずし作りを体験いただくことができるようになりました」

今後の展望をお聞かせください。

「来年も、『鮒ずし作り体験クルーズ』で、一人でも多くのお客さまにびわ湖の食文化に触れていただきたいと思います。また、この企画以外にも、琵琶湖汽船では『琵琶湖八珍クルーズ』や『近江八景めぐり』などびわ湖の魅力に触れていただけるクルーズを実施しています。このような企画を通じて、お客さまにもっと喜びと感動をお届けできればと思いますし、母なるびわ湖の環境保全や独自文化の継承、沖島をはじめとするびわ湖に関わる方々の生活の活性化に貢献ができればと願っております」

日本遺産のびわ湖を楽しむなら、
琵琶湖汽船で。

びわ湖は、平成27年度の日本遺産に「琵琶湖とその水辺景観-祈りと暮らしの水遺産」として認定されました。びわ湖の美しい水辺の景観は、琵琶湖汽船の観光クルーズでお楽しみいただけます。京都観光や滋賀観光の際にぜひご利用ください。

琵琶湖汽船WEBサイト http://www.biwakokisen.co.jp/