こころまち つくろう KEIHAN 京阪ホールディングス

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こころまち つくろう 活動レポート

[こころまちつくろう 活動レポート Vol.16]全てを見渡し、守る安全。

京阪電車京阪線には、京阪本線・鴨東線・中之島線・交野線・宇治線があり、全線で平日1日あたり約1,200本の列車を運行しています。複雑に絡み合う緻密なダイヤ編成にのっとった列車運行がスムーズに行われるようコントロールするのが運転指令所。すべての列車の運行を一手に引き受けるこの場所は、「京阪電車の頭脳、全線を見つめる大きな目」と言えます。そこには刻々と変化する運行状況を注意深く見つめる高度な専門知識をもつ指令所係員たちの姿がありました。

日常的に行う運行管理、
時には運行計画の変更も指示。

運転指令所の主な業務は、全路線で列車が定刻通り、安全に運行しているかをリアルタイムに把握しながら、問題が発生した場合には関係部署と連携してすみやかに対処することです。運転士や車掌と無線で連絡を取り合い、乱れたダイヤを正常ダイヤに戻すよう指示を出します。お客さまの目に触れることのない運転指令所のコントロールによって、毎日の安定した列車運行がかなえられているのです。

突発的に発生する自然災害にも
対応していくために。

昨今は、関西地域でも自然災害が発生しています。最近の例では、2012年8月14日の豪雨により線路の冠水や土砂崩れに見舞われ全線で運休。また翌年9月16日にも台風18号の影響で気象庁から運用開始後初となる特別警報が発表され、数十年に一度とされる豪雨により一時全線の運転を休止しました。このような際にも運転指令所はお客さまへの影響を最小限にとどめるよう、安全を第一に考えています。

危機発生の際には、
各部署が連携してチーム力を発揮。

それでは、運転指令所の安全・安心への心構えを小池幸男運転指令長に伺いました。

どのような判断に基づき、指示を出すのですか。

「平常時は、列車運行管理システムが信号機も含めて自動で運行管理を行います。しかし、災害時などの異常事態ではそのシステム自体がダウンする可能性もわずかながらあり、最後は人の力が頼りになります。経験を積んだ係員の判断力や専門知識が力を発揮します。列車運行の安全が確保できない場合は、躊躇なく運行を停止します。運転指令所から直接現場を見ることはできませんが、工務部、電気部や車両部などとの連携で現場の状況を把握します。刻一刻と変化する現場の情報を運転指令所に逐一あげてもらい、正確な状況判断をしています」

各部署が一丸となって危機に対応するのですね。

「『非常事態には業務内容にかかわらず、協力しなければならない』という固い絆で結ばれており、工務部、電気部や車両部などからも状況を報告してもらい、総合的に『列車運行の安全は確保できる』と判断できた時点で運転再開を決めます。お客さまへの影響を最小限にとどめることを念頭に、しかし安全が確認されないうちは絶対に動かさない。安全が担保できないなら運休する。その勇気をもつことも大切だと考えています」

運行管理は安全管理。
年間2.8億人のお客さまの安心を乗せて走るために。

京阪電車の1日のご利用者様は平均で約77万人、年間ではじつに約2.8億人にのぼります。それだけのお客さまの安全と安心を守るために、京阪電車ではさまざまな災害を想定した訓練を計画的に実施するなど運転指令所をはじめとして全社一丸となって取り組んでいます。

「『正確な情報をできるだけ迅速に収集する』『より多くの目で確認する』この二つを徹底しています。異常事態の時には焦ってしまうものです。お客さまもそれぞれご事情があり、とくに飛行機に乗り継がれる場合などは『とにかく動かして!』とおっしゃる方もおられます。現場の係員は、どうしてもその想いに応えようとします。だからまず現場での状況を正確に把握することからスタートします。『大丈夫だろう』とか『安全だと思います』という回答では絶対に運行しません。人様の命、尊い財産を預かっています。そこを忘れない判断を心がけています」

運転指令所にいる皆さんはどんな経歴をお持ちなんですか。

「運転士や乗務員や助役を長年勤め、知識が豊富で、現場をよく知るスペシャリストばかりです。運転指令所にいても現場がイメージできるので適切な判断が可能になります。これまでの経験を総動員して、過去の事例に学びながらよりよい判断ができるように全員が心がけています。それと、いくら保安装置やシステムなどが進化しようとも、やはり運転士、車掌という『人』が動かし、お客さまという『人』に乗っていただいているのが電車。ですから、『人』への視点を常に忘れずに、安全で安心できる運行をこれからも継続していきます」